DV(ドメスティック・バイオレンス)とは

⇒DVとは、主に男性が、社会的な権力・優位性を利用し、身体的暴力・精神的暴力(口汚くののしるなど)・経済的暴力(生活費を渡さないなど)・性的暴力(避妊協力しないも含む)・社会的暴力(人間関係・行動の制限や監視)を複雑に絡ませながら、弱い立場の女性を支配すること。
女性が加害者になる場合もあります。 LGBTのカップルにも起こります。

⇒DVの構造―性差別社会であること。

⇒性差別社会とは―経済的・社会的に男性が優位に立つ社会。女性が経済力を持つことが困難を伴う社会。子育てが女性の役割とみなされその労働に対して経済的価値が付与されない社会。妻には夫を世話し支える役割があるとされている社会。男性の攻撃性や暴力性が男らしさのあかしとして容認される社会。

暴力の種類

  • 身体的暴力
    殴る、蹴る、つかむ、首を絞める、物を投げつける、噛む、タバコの火を押し付ける、凶器を使う、眠らせない、薬物やアルコールの強要等
  • 精神的暴力
    馬鹿にする、脅す、自殺の脅し、悪口を言う、大切にしている物やペットを隠す・壊す・傷つける、当たらないように物を投げつける、無視、意見の否定、眠らせない、危険な運転、病院へ連れて行かない、子どもを利用する、「お前がおかしい」と言う、秘密の悪用、舌打ち、にんまりと笑うこと等
  • 経済的暴力
    生活費を渡してくれない、お金の使い道をうるさく聞く、家にお金がどれくらいあるか教えない、お金を巻き上げられる、貸したお金を返さない、働くことが許されない、いつもおごらされる、ローンを組まされる、無理に働かせる等
  • 社会的暴力(束縛)
    携帯をチェックする、自分以外のアドレスを消させる、交友を嫌う・チェックする、働かせない、親族や友人を悪く言う等
  • 性的暴力
    セックスを無理強いする、避妊に協力しない、性的な身体の部分についての暴言、性的な罵り性感染症をうつす、セックスの途中で内容が嫌なものに変わる、プライバシーのないセックス性癖の押しつけ、嫌がっているのにポルノを見せる、他の人とのセックスを認めさせる、デジタルカメラでの撮影等
  • ネット暴力
    インターネット上の書き込み、写真を使っての脅し、無許可で写真をアップする、無理やりアドレス帳などを編集してしまう(データを消去するように命じる)、GPS系のアプリの悪用、SNS上になりすまして書き込む、携帯チェック、パスワードを教えるようにとプレッシャーをかける、一方的に写真を送りつけ同じような写真を送れと命令する、誰と友達になってよいかを指示する、メールはすぐに返信しろと命令する、誰とどこにいるかを証明するために写メを送らせる等
  • リベンジポルノ
    “リベンジ”とは“仕返し”という意味ですが、交際中に撮った相手のプライベートな画像、体の写真などを、ふられた恨みから、インターネット上に流出させる嫌がらせのことです。

DVの実態

〇内閣府調査(平成26年度調査)から

  • 既婚女性の4人に1人が何らかの被害を受けている 
  • 既婚女性の10人に1人が何度も被害を受けている 
  • 既婚女性で被害を受けた女性の内9人に1人が命の危険を感じたことがある 
  • 交際相手がいた女性の5人に1人が交際相手から被害を受けている
  • 交際相手から被害を受けた女性の4人に1人が命の危険を感じたことがある

〇配偶者間における刑法犯検挙数(平成24年度)女性が被害者となった事件の割合

  • 暴行:94.1%(1996/2121件) 
  • 傷害:94.3%(2060/2183件) 
  • 殺人:60.7%(93/153件)
  • 総数:4149/4459 (平成23年度の44.2%増)

〇新潟県警(平成24年度)

  • DV絡みの事件検挙数150件
    (暴行・傷害148件146名 殺人0)
  • DV事案777件 延べなら3000~4000件
  • 裁判所からの書面提出要件51件
    うち41件が保護命令発令(事案の1割未満)

DV防止法とは

今まで家庭内に潜在してきた女性への暴力について、女性の人権擁護と男女平等の実現を図るため、夫やパートナーからの暴力の防止及び被害者の保護・支援を目的として作られた法律です。平成13年に国際的な流れと被害者の声を受けて、超党派の女性議員による議員立法で成立、平成26年に施行されました。被害者が男性の場合も法律の対象にはなりますが、被害者は多くの場合女性でであるため、女性被害者に配慮した内容の前文になっています。